接続の確立
Apache Kafka への接続
.NET ベースのエディションは、Confluent.Kafka およびlibrdkafka ライブラリに依存して機能します。 これらのアセンブリはインストーラーにバンドルされ、自動的に本製品 と一緒にインストールされます。 別のインストール方法を利用する場合は、NuGet から依存関係のあるConfluent.Kafka 2.5.2 をインストールしてください。BootstrapServers を設定し、Apache Kafka サーバーのアドレスを指定します。
デフォルトでは、本製品 はデータソースとPLAINTEXT で通信し、これはすべてのデータが暗号化なしで送信されることを意味します。通信を暗号化するには、本製品 がSSL 暗号化を使用するように設定する必要があります。 これを行うには、UseSSL をtrue に設定し、SSLServerCert およびSSLServerCertType をサーバー証明書を読み込むように設定します。 PEM ファイルおよびWindows 証明書ストアがサポートされている証明書ストアです。
ProxyServer のようなプロキシ設定やFirewallServer のようなファイアウォール設定は、Apache Kafka ブローカーへの接続には影響しないことに注意してください。 内部的には、本製品 はプロキシをサポートしない公式ライブラリを使ってApache Kafka に接続します。 これらのオプションは、トピックからのメタデータの抽出 で説明したように、本製品 がスキーマレジストリに接続する場合にのみ使用されます。
Apache Kafka への認証
Apache Kafka データソースは、次の認証メソッドをサポートしています:
- Anonymous
- Plain
- Scram
- Kerberos
Anonymous
Apache Kafka の特定のオンプレミスデプロイメントでは、認証接続プロパティの設定なしでApache Kafka に接続できます。そのためには、AuthScheme をNone (デフォルト)に設定するだけで接続できるようになります。
SASL Plain
User およびPassword プロパティを指定する必要があります。AuthScheme はPlain に設定します。
SCRAM ログインモジュール
User およびPassword プロパティを指定する必要があります。AuthScheme は'SCRAM'(SCRAM-SHA-256 用)または'SCRAM-SHA-512' に設定します。
SSL クライアント証明書
SSLClientCert およびSSLClientCertType プロパティを指定し、AuthScheme はSSLCertificate に設定します。 PEM 証明書形式を推奨しますが、PEM とPFX の両方に対応しています。
Kerberos
Kerberos を使用してApache Kafka に認証するには、次のプロパティを設定します。- AuthScheme:KERBEROS。
- KerberosServiceName:これはKafka ブローカーのプリンシパル名と一致させる必要があります。例えば、プリンシパルがkafka/[email protected] の場合、KerberosServiceName=kafka です。
Azure Event Hubs への接続
本製品 は、OAuth および共有アクセス署名を使用したAzure Event Hubs への接続をサポートします。 開始する前に、Event Hubs のネームスペースがKafka プロトコルを使用した接続をサポートしていることを確認してください。 本製品 ではこの機能を必須としており、価格体系によってはご利用いただけない場合があります。
Azure への接続はすべて、以下で説明するスキーム固有のプロパティに加えて、これらのプロパティを設定する必要があります。
- BootstrapServers:mynamespace.servicebus.windows.net:9093
- UseSSL:True。
Azure AD
Azure AD は、Microsoft のマルチテナント、クラウドベースのディレクトリおよびID 管理サービスです。これはユーザーベースの認証で、AuthScheme をAzureAD に設定する必要があります。Web アプリケーションを介したAzure AD への認証には、必ずカスタムOAuth アプリケーションの作成が必要です。詳細はAzure AD アプリケーションの作成 を参照してください。
デスクトップアプリケーション
CData は、デスクトップアプリケーションからAzure AD への接続を簡略化する埋め込みOAuth アプリケーションを提供します。カスタムOAuth アプリケーションを使用して、デスクトップアプリケーションで認証することもできます。(詳しくは、Azure AD アプリケーションの作成 を参照してください。) Azure AD 経由で認証するには、以下のパラメータを設定します。
- AuthScheme:AzureAD。
-
カスタムアプリケーションのみ:
- OAuthClientId:カスタムOAuth アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントId。
- OAuthClientSecret:カスタムOAuth アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントシークレット。
- CallbackURL:カスタムOAuth アプリケーションの登録時に定義したリダイレクトURI。
接続すると、本製品 はデフォルトブラウザでApache Kafka のOAuth エンドポイントを開きます。ログインして、アプリケーションにアクセス許可を与えます。
本製品 はOAuth プロセスを完了し、Apache Kafka からアクセストークンを取得してそれを使ってデータをリクエストします。 OAuth 値はOAuthSettingsLocation で指定されたパスに保存されます。これらの値は接続間で永続化されます。
アクセストークンの期限が切れたときは、本製品 は自動でアクセストークンをリフレッシュします。
Web アプリケーション
Web アプリケーションを使用してAzure AD 経由で認証する場合は、Apache Kafka にカスタムOAuth アプリケーションを登録する必要があります(Azure AD アプリケーションの作成 を参照)。 それから本製品 を使用してOAuth トークンの値を取得および管理します。Azure AD OAuth アクセストークンの取得
はじめに、以下の接続プロパティを設定してOAuthAccessToken を取得します。
- AuthScheme:AzureAD。
- OAuthClientId:アプリケーション設定のクライアントId。
- OAuthClientSecret:アプリケーション設定のクライアントシークレット。
次に、ストアドプロシージャを呼び出してOAuth 交換を完了します。
- GetOAuthAuthorizationURL ストアドプロシージャを呼び出します。AuthMode インプットをWEB に、CallbackURL インプットをアプリケーション設定で指定したリダイレクトURI に設定します。必要に応じて、Permissions パラメータを設定してカスタム権限をリクエストします。
ストアドプロシージャがOAuth エンドポイントのURL を返します。 - URL を開き、ログインして、アプリケーションを認可します。コールバックURL にリダイレクトされます。
- GetOAuthAccessToken ストアドプロシージャを呼び出します。AuthMode インプットをWEB に設定します。Verifier インプットを、コールバックURL のクエリ文字列の"code" パラメータに設定します。必要に応じて、Permissions パラメータを設定してカスタム権限をリクエストします。
アクセストークンとリフレッシュトークンを取得すると、データに接続し、Azure AD アクセストークンを自動または手動でリフレッシュすることができるようになります。
Azure AD OAuth アクセストークンの自動リフレッシュ
本製品 がAzure AD OAuth アクセストークンを自動的にリフレッシュするようにするには、データへの初回接続時に以下のパラメータを設定します。
- AuthScheme:AzureAD。
- InitiateOAuth:REFRESH。
- OAuthClientId:アプリケーション設定のクライアントId。
- OAuthClientSecret:アプリケーション設定のクライアントシークレット。
- OAuthAccessToken:GetOAuthAccessToken によって返されたアクセストークン。
- OAuthRefreshToken:GetOAuthAccessToken によって返されたリフレッシュトークン。
- OAuthSettingsLocation:ドライバーがOAuth トークン値を保存する場所。これは接続間で維持されます。
それ以降のデータ接続では、OAuthAccessToken とOAuthRefreshToken の値はOAuthSettingsLocation から取得され、接続時に設定する必要はありません。
Azure AD OAuth アクセストークンの手動リフレッシュ
データ接続時に手動でAzure AD OAuth アクセストークンをリフレッシュするために必要な値は、OAuth リフレッシュトークンのみです。
GetOAuthAccessToken が返すExpiresIn パラメータ値が経過した後に、RefreshOAuthAccessToken ストアドプロシージャを使用して手動でOAuthAccessToken をリフレッシュし、次の接続プロパティを設定します。
- OAuthClientId:アプリケーション設定のクライアントId。
- OAuthClientSecret:アプリケーション設定のクライアントシークレット。
ここでRefreshOAuthAccessToken を呼び出し、OAuthRefreshToken にGetOAuthAccessToken によって返されたOAuth リフレッシュトークンを指定します。新しいトークンが取得できたら、OAuthAccessToken をRefreshOAuthAccessToken が返す値に設定し、新しい接続をオープンします。
最後に、OAuth リフレッシュトークンを保存し、OAuth アクセストークンの有効期限が切れた後に手動でリフレッシュできるようにします。
ヘッドレスマシン
ヘッドレスマシンのユーザーアカウントでドライバーを設定するには、インターネットブラウザに対応した別の端末で認証する必要があります。
以下のいずれかの方法で行います。
- 後述のオプション1:Verifier code を取得および交換に従い、OAuthVerifier 値を取得します。
- 後述のオプション2:OAuth 設定を転送で説明するように、本製品 を別のマシンにインストールします。通常のブラウザベースのフローで認証した後、OAuth 認証値を転送します。
オプション1:Verifier code を取得および交換
-
認可エンドポイントを見つけます。
カスタムアプリケーションのみ: 次のプロパティを設定して、Authorization URL を作成します。
- InitiateOAuth:OFF。
- OAuthClientId:アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントId。
- OAuthClientSecret:アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントシークレット。
カスタムアプリケーションおよび埋め込みアプリケーション:GetOAuthAuthorizationURL ストアドプロシージャを呼び出します。
- ストアドプロシージャによって返されたURL をブラウザで開きます。
- ログインして、本製品 にアクセス許可を与えます。verifier code を含むコールバックURL にリダイレクトされます。
- verifier code の値を保存します。この値は後でOAuthVerifier 接続プロパティを設定する際に使用します。
-
OAuth verifier code をOAuth リフレッシュトークンおよびアクセストークンと交換します。
ヘッドレスマシンでは、次のプロパティを設定します。
- AuthScheme:AzureAD。
- InitiateOAuth:REFRESH。
- OAuthVerifier:verifier code。
- OAuthSettingsLocation:接続間で維持されるOAuth トークンの値を保存するファイルの場所。
-
カスタムアプリケーションのみ:
- OAuthClientId:カスタムOAuth アプリケーション設定のクライアントId。
- OAuthClientSecret:カスタムOAuth アプリケーション設定のクライアントシークレット。
-
OAuth 設定ファイルが生成されたら、以下のように接続プロパティをリセットします。
- InitiateOAuth:REFRESH。
- OAuthSettingsLocation:暗号化されたOAuth 認証値が保存される場所。アクセストークンの自動リフレッシュを有効にするために、この場所が本製品 に読み書きのアクセス許可を与えることを確認してください。
-
カスタムアプリケーションのみ:
- OAuthClientId:アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントId。
- OAuthClientSecret:アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントシークレット。
オプション2:OAuth 設定を転送
ヘッドレスマシン経由の接続に先立ち、インターネットブラウザに対応したデバイスでドライバーとの接続を作成し、インストールする必要があります。上述の「デスクトップアプリケーション」の説明に従って、接続プロパティを設定します。
「デスクトップアプリケーション」の手順を完了すると、生成された認証値は、OAuthSettingsLocation で指定された場所に暗号化されて書き込まれます。デフォルトのファイル名はOAuthSettings.txt です。
接続が正常にテストされたら、OAuth 設定ファイルをヘッドレスマシンにコピーします。
ヘッドレスマシンでは、次のプロパティを設定します。
- AuthScheme:AzureAD。
- InitiateOAuth:REFRESH。
- OAuthSettingsLocation:OAuth 設定ファイルの場所。アクセストークンの自動リフレッシュを有効にするために、この場所が本製品 に読み書きのアクセス許可を与えることを確認してください。
-
カスタムアプリケーションのみ:
- OAuthClientId:アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントId。
- OAuthClientSecret:アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントシークレット。
Azure サービスプリンシパル
Azure サービスプリンシパルは、ロールに基づいたアプリケーションベースの認証です。これは、認証がユーザーごとではなく、アプリケーションごとに行われることを意味します。 アプリケーションで実行されるすべてのタスクは、デフォルトユーザーコンテキストなしで、割り当てられたロールに基づいて実行されます。 リソースへのアプリケーションのアクセスは、割り当てられたロールの権限によって制御されます。
Azure サービスプリンシパル認証の設定方法については、サービスプリンシパルによるAzure AD アプリケーションの作成 を参照してください。
Managed Service Identity (MSI)
Azure VM 上でApache Kafka を実行しており、MSI を利用して接続したい場合は、AuthScheme をAzureMSI に設定します。
User-Managed Identities
マネージドID のトークンを取得するには、OAuthClientId プロパティを使用してマネージドID の"client_id" を指定します。VM に複数のユーザーが割り当てられたマネージドID がある場合は、OAuthClientId も指定する必要があります。
共有アクセス署名
本製品 は、共有アクセス署名を使用したパスワードベースの認証もサポートしています。 共有シークレットを作成したら、次のオプションで本製品 を設定します。
- AuthScheme:Plain。
- User:$ConnectionString。
- Password:Shared Access Policies 画面にあるEvent Hubs 接続文字列。