接続の確立
CData Cmdlets ユーザーは、データモジュールをインストールし、接続プロパティを設定してスクリプトを開始できます。このセクションでは、CSV インポートおよびエクスポートcmdlet などのネイティブPowerShell cmdlet でPCASales Cmdlets を使用する例を示します。
インストールおよび接続
PSGet がある場合は、PowerShell Gallery から次のコマンドを使ってcmdlet をインストールできます。CData サイトからセットアップを取得することもできます。
Install-Module PCASalesCmdlets
プロファイルに以下を追加すると、次のセッションでcmdlet がロードされます。
Import-Module PCASalesCmdlets;
Connect-PCASales cmdlet を使って、別のcmdlet に渡すことができる接続オブジェクトを作成します。
$conn = Connect-PCASales
PCA Sales への接続
PCA Sales は、OAuth またはパスワードグラントを介する認証をサポートします。
OAuth 認証
この認証を有効にするには、カスタムOAuth アプリケーションを作成し、AuthScheme をOAuth に設定する必要があります。以下のサブセクションでは、3つの一般的なOAuth 認証フローでのPCA Sales への認証について詳しく説明します。
カスタムOAuth アプリケーションの作成については、カスタムOAuth アプリケーションの作成 を参照してください。 PCA Sales で利用可能な接続文字列プロパティの全リストは、Connection を参照してください。
デスクトップアプリケーション
カスタムOAuth アプリケーションの資格情報を使用して認証するには、OAuth アクセストークンを取得し、更新する必要があります。これらを設定すると、接続の準備が整います。OAuth アクセストークンの取得およびリフレッシュ:
- OAuthClientId:カスタムOAuth アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントId。
- OAuthClientSecret:カスタムOAuth アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントシークレット。
- CallbackURL:カスタムOAuth アプリケーションの登録時に定義されたリダイレクトURI。
接続すると、本製品 はデフォルトブラウザでPCA Sales のOAuth エンドポイントを開きます。ログインして、アプリケーションにアクセス許可を与えます。
アクセストークンの期限が切れたときは、本製品 は自動でアクセストークンをリフレッシュします。
OAuth アクセストークンの自動リフレッシュ:
本製品 がOAuth アクセストークンを自動的にリフレッシュするようにするには:
- はじめてデータに接続する前に、次の接続パラメータを設定します。
- InitiateOAuth:REFRESH。
- OAuthClientId:カスタムOAuth アプリケーション設定のクライアントId。
- OAuthClientSecret:カスタムOAuth アプリケーション設定のクライアントシークレット。
- OAuthAccessToken:GetOAuthAccessToken によって返されたアクセストークン。
- OAuthSettingsLocation:本製品 がOAuth 値を保存する場所のパス。これは接続間で維持されます。
- その後のデータ接続では、以下を設定します。
- InitiateOAuth
- OAuthSettingsLocation
OAuth アクセストークンの手動リフレッシュ:
OAuth アクセストークンを手動でリフレッシュするために必要な唯一の値は、OAuth リフレッシュトークンです。
- ExpiresIn 期間(GetOAuthAccessToken が返す)が経過した後にOAuthAccessToken を手動でリフレッシュするには、RefreshOAuthAccessToken ストアドプロシージャを呼び出します。
- 次の接続プロパティを設定します。
- OAuthClientId:カスタムOAuth アプリケーション設定のクライアントId。
- OAuthClientSecret:カスタムOAuth アプリケーション設定のクライアントシークレット。
- RefreshOAuthAccessToken を呼び出し、OAuthRefreshToken にGetOAuthAccessToken によって返されたOAuth リフレッシュトークンを設定します。
- 新しいトークンが取得できたら、OAuthAccessToken プロパティにRefreshOAuthAccessToken によって返された値を設定します。これで新規接続が開かれます。
OAuth リフレッシュトークンを保存し、OAuth アクセストークンの有効期限が切れた後に手動でリフレッシュできるようにします。
ヘッドレスマシン
ヘッドレスマシンに置かれているリソースにログインする必要がある場合は、インターネットブラウザに対応した別の端末で認証する必要があります。 以下のいずれかの方法で行います。
- オプション1:OAuthVerifier 値を取得します。
- オプション2:インターネットブラウザに対応したマシンに本製品 をインストールし、通常のブラウザベースのフローで認証した後でOAuth 認証値を転送します。
オプション1またはオプション2を実行後、ヘッドレスマシンからアクセストークンを自動的にリフレッシュするようにドライバーを設定します。
オプション1:Verifier code を取得および交換
Verifier code を取得するには、次のようにOAuth Authorization URL で認証する必要があります。
-
インターネットブラウザに対応したマシンから認証してOAuthVerifier 接続プロパティを取得します。
次のプロパティを設定します。
- InitiateOAuth: OFF。
- OAuthClientId:カスタムOAuth アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントId。
- OAuthClientSecret:カスタムOAuth アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントシークレット。
-
GetOAuthAuthorizationURL ストアドプロシージャを呼び出します。ストアドプロシージャは、カスタムOAuth アプリケーションが登録されたときに構築されたCallbackURL を返します。 (カスタムOAuth アプリケーションの作成 を参照してください。)
このURL をコピーして、新しいブラウザのタブに貼り付けます。
-
ログインして、本製品 にアクセス許可を与えます。OAuth アプリケーションは、code というパラメータを付加したリダイレクトURI にリダイレクトします。このパラメータの値を控えておきます。OAuthVerifier 接続プロパティを設定するために、後で必要になります。
-
OAuth verifier code をOAuth リフレッシュトークンおよびアクセストークンと交換します。ヘッドレスマシンでは、OAuth 認証値を取得するには次のプロパティを設定します。
- InitiateOAuth:REFRESH。
- OAuthVerifier:控えておいたverifier code(リダイレクトURI のcode パラメータの値)。
- OAuthSettingsLocation:暗号化されたOAuth 認証値を指定されたファイルに永続化。
- OAuthClientId:カスタムOAuth アプリケーション設定のクライアントId。
- OAuthClientSecret:カスタムOAuth アプリケーション設定のクライアントシークレット。
-
接続をテストしてOAuth 設定ファイルを生成します。
-
これらのプロパティを再設定すると、接続の準備が整います。
- InitiateOAuth:REFRESH。
- OAuthSettingsLocation:暗号化されたOAuth 認証値を含むファイル。アクセストークンの自動リフレッシュを有効にするには、このファイルが本製品 に読み書きのアクセス許可を与えることを確認してください。
- OAuthClientId:カスタムOAuth アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントId。
- OAuthClientSecret:カスタムOAuth アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントシークレット。
オプション2:OAuth 設定を転送
ヘッドレスマシンでの接続に先立ち、インターネットブラウザに対応したデバイスでドライバーとの接続をインストールし、作成する必要があります。上述の「デスクトップアプリケーション」の説明に従って、接続プロパティを設定します。
「デスクトップアプリケーション」の手順が完了すると、生成された認証値は、OAuthSettingsLocation で指定されたパスに暗号化されて書き込まれます。デフォルトのファイル名はOAuthSettings.txt です。
接続をテストしてOAuth 設定ファイルを生成し、OAuth 設定ファイルをヘッドレスマシンにコピーします。
ヘッドレスマシンでデータに接続するには、次の接続プロパティを設定します。
- InitiateOAuth:REFRESH
- OAuthSettingsLocation:ブラウザでマシンからコピーしたOAuth 設定ファイルへのパス。アクセストークンの自動リフレッシュを有効にするために、このファイルが本製品 に読み書きのアクセス許可を与えることを確認してください。
- OAuthClientId:カスタムOAuth アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントId。
- OAuthClientSecret:カスタムOAuth アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントシークレット。
パスワードグラント認証
ユーザーとアプリケーションの間に信頼関係がある場合、ユーザーはPassword グラントタイプを使用して、デスクトップアプリケーションまたはWeb のどちらからでも認証できます。 この認証スキームを有効にするには、AuthScheme をOAuthPassword に設定します。パスワードグラントによる認証、OAuth に似ています。実際、カスタムOAuth アプリケーションの作成 で説明するようにカスタムOAuth アプリケーションを設定済みであることが必要です。しかし、一度設定すれば、ユーザーの操作は必要ありません。
接続すには、次のプロパティを設定します。
- InitiateOAuth:GETANDREFRESH。InitiateOAuth を使うと、OAuth 交換や、手動での接続文字列のアクセストークン設定の繰り返しを避けられます。
- AuthScheme:カスタムOAuth アプリケーションで指定されたAuthScheme。
- User:カスタムOAuth アプリケーションで指定されたユーザーのUsername。
- Password:カスタムOAuth アプリケーションで指定されたユーザーのPassword。
- ServiceId:サービスアカウントのID。
- ServicePassword:サービスアカウントのパスワード。
- DefaultDataArea:対象となるデータ領域。
- DataCenter:対象となるサーバーのDataCenter 名。
- OAuthClientId:カスタムOAuth アプリケーションで指定されたクライアントId。
- OAuthClientSecret:カスタムOAuth アプリケーションで指定されたクライアントシークレット。
- CallbackURL:カスタムOAuth アプリケーションで指定されたRedirect URL。
- APIVersion:接続するPCA API Server バージョン。
- ProductCode:PCA 製品コード名。
接続をクリックします。本製品 がPCA Sales OAuth エンドポイントを開きます。ログインして、本製品 にアクセス許可を与えます。本製品 はOAuth プロセスを完了します。
データの取得
Select-PCASales cmdlet はデータを取得するためのネイティブなPowerShell インターフェースを提供します。
$results = Select-PCASales -Connection $conn -Table "MasterSms" -Columns @("SyohinCode, SyohinMei") -Where "SyohinMei='Syohin'"Invoke-PCASales cmdlet はSQL インターフェースを提供します。このcmdlet を使うと、Query パラメータを介してSQL クエリを実行できます。
cmdlet 出力のパイプ処理
cmdlet は行オブジェクトをパイプラインに一度に一行ずつ返します。以下は、結果をCSV ファイルにエクスポートします。
Select-PCASales -Connection $conn -Table MasterSms -Where "SyohinMei = 'Syohin'" | Select -Property * -ExcludeProperty Connection,Table,Columns | Export-Csv -Path c:\myMasterSmsData.csv -NoTypeInformation
Select-PCASales からの結果をSelect-Object cmdlet にパイプして、Export-CSV cmdlet にパイプする前にいくつかのプロパティを実行していることがわかるでしょう。これをする理由は、CData Cmdlets は接続、テーブル、およびカラムの情報を結果セットの各行オブジェクトに追加しますが、必ずしもその情報がCSV ファイルに必要ではないからです。
ただし、これによってcmdlet の出力を別のcmdlet にパイプすることが容易になります。以下に、結果セットをJSON に変換する例を示します。
PS C:\> $conn = Connect-PCASales PS C:\> $row = Select-PCASales -Connection $conn -Table "MasterSms" -Columns (SyohinCode, SyohinMei) -Where "SyohinMei = 'Syohin'" | select -first 1 PS C:\> $row | ConvertTo-Json { "Connection": { }, "Table": "MasterSms", "Columns": [ ], "SyohinCode": "MySyohinCode", "SyohinMei": "MySyohinMei" }
データの削除
以下は、抽出条件に合うあらゆるレコードを削除します。
Select-PCASales -Connection $conn -Table MasterSms -Where "SyohinMei = 'Syohin'" | Remove-PCASales
データの変更
cmdlet はデータクレンジング同様、データの変換を容易にします。次の例は、レコードがすでに存在するかどうか、挿入する前に更新が必要かどうかをチェックしてから、CSV ファイルのデータをPCA Sales にロードします。
Import-Csv -Path C:\MyMasterSmsUpdates.csv | %{ $record = Select-PCASales -Connection $conn -Table MasterSms -Where ("Id = `'"+$_.Id+"`'") if($record){ Update-PCASales -Connection $conn -Table MasterSms -Columns @("SyohinCode","SyohinMei") -Values @($_.SyohinCode, $_.SyohinMei) -Where "Id = `'$_.Id`'" }else{ Add-PCASales -Connection $conn -Table MasterSms -Columns @("SyohinCode","SyohinMei") -Values @($_.SyohinCode, $_.SyohinMei) } }